兵庫県神戸市中央区に本部を置く兵庫県農業共済組合に勤務していた当時33歳の女性獣医師が、2023年8月に自ら命を絶った事案について、長時間労働による持病の悪化が原因として労災認定されていたことがわかりました。2026年5月15日、遺族の代理人弁護士らが記者会見を行い明らかにしました。
弁護士の説明によりますと、女性は2021年4月に組合へ採用され、丹波家畜診療所や南あわじ家畜診療所で家畜の往診を担当していました。2023年6月中旬からの1カ月間における時間外労働は少なくとも97時間に達し、前月の2倍以上に急増していました。過重な業務による心理的負担から持病が悪化し、同年8月に自宅で亡くなったということです。
兵庫県洲本市の淡路労働基準監督署は、2026年1月23日付で労災を認定しました。労基署がパソコンの使用履歴から算出した2023年5月から8月の時間外労働は、本人の申告よりも計約150時間多かったことが判明しています。
代理人弁護士は、獣医師が全ての診療を自ら行う必要があるため長時間労働になりやすい実態を指摘し、組合側が労働実態を把握せず適切な支援を怠ったと主張しています。女性の父親は「志ある若い獣医師の命が失われた重みを、組合はしっかりと受け止めてほしい」と訴えました。
遺族側は今後、組合に対して安全配慮義務違反などに基づく損害賠償を求める交渉を行う方針で、合意に至らない場合は提訴も検討しているとのことです。組合側は取材に対し、お悔やみの言葉を述べた上で、今後の対応については「現時点では答えられない」としています。


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