宗教団体「エホバの証人」の信者であることを理由に前立腺がんの手術を断られ、精神的苦痛を受けたとして、名古屋市の男性が、名古屋市立大学を相手取り330万円の損害賠償を求める訴えを名古屋地裁に起こしました。提訴は2026年1月28日付です。
訴状によりますと、男性は2024年8月、名古屋市立大学付属東部医療センター(名古屋市千種区)を受診した際、宗教上の理由から輸血を拒否する意思を伝えました。当初、担当医からは「輸血のリスクは1%から5%未満」との説明を受けて手術を予約しましたが、その後、病院側から「方針として無輸血手術はできない」と告げられたということです。男性は別の医療機関の紹介も受けられず、後日、自ら探した別の民間病院で無輸血での手術を受けました。
男性側は、正当な理由なく治療を拒否したことは「公立病院としての義務違反であり、基本的人権の侵害にあたる」と主張しています。代理人の弁護士は「患者の信条に沿った治療は実施可能であった」と指摘しました。
東部医療センター側は、時間的猶予がある場合などは「患者の宗教的信条を尊重し、輸血を行わずに転院を勧める」という方針を示していますが、男性側はこれを差別的であると批判しています。名古屋市立大学は取材に対し「係争中のためコメントは控える」としています。
同様のケースでは、2026年1月に滋賀医科大学に対しても、信者の女性が手術を拒否されたとして大津地裁に提訴しています。



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