山口県長門市議会の特別委員会は30日、市議会の議長と議員、および副市長の計3人による市職員への働きかけが、パワーハラスメントに該当するとの判断を示しました。
この問題は、林哲也議員からパワーハラスメントを受けたとする市担当課長の訴えにより、昨年設置された特別委員会が外部の弁護士に調査を依頼していたものです。報告書によりますと、南野信郎議長、林哲也議員、大谷恒雄副市長の3人は、議会の報告内容を議事録から削除するよう、担当課長が断れない状況を作って求めたとされています。特に副市長室で3人が担当課長と1時間以上同席した際の行為が、優越的な関係を背景としたパワーハラスメントにあたると認定されました。
報告書を受け、南野議長は「真摯に反省し、被害に遭われた職員に心より謝罪したい」と述べ、自身の進退を検討する意向を示しました。また大谷副市長も結果を真正面から受け止め、謝罪する考えを述べています。
長門市の江原市長は、副市長もハラスメントに該当すると示されたことを重く受け止め、今後の体制整備について市議会と協議していくとのコメントを出しました。
山口県長門市の市議や副市長ら3人による職員へのパワハラを認定 議会特別委が報告書を提出
山口県長門市の林哲也市議(63)が市の課長に対してパワーハラスメントを行ったとされる問題で、長門市議会のハラスメント調査特別委員会(重村法弘委員長)は2026年6月12日、調査報告書を南野信郎議長に提出し、同日開会した6月定例会および本会議で報告しました。
報告書では、2025年3月に出された第三者調査委員会の報告と同様に、林市議、南野議長、大谷恒雄副市長の3人の言動をパワーハラスメントと認定しました。
報告書によると、発端は2025年2月、共産党の林市議が市議会一般質問に関するヒアリングにおいて、電話で市職員の課長に対し「市が答えないなら、ガチで行く」「紛糾すると思うよ。これは脅しじゃないよ」などと威圧的な発言をしたことです。課長は「怖い」などと訴えていました。その後、林市議は公開の議員全員協議会で、ハラスメント被害を訴えている職員の実名を挙げて長時間にわたり弁明を行いました。
さらに2025年4月には、林市議、南野議長、岩藤睦子副議長、大谷副市長の4人が課長を副市長室に呼び出し、1時間あまりの面談を行いました。この席で「電話が鳴ると怖い」などの発言の撤回を求め、承諾させました。重村委員長はこの副市長室でのやりとりについて、「上位役職者による支配的かつ威圧的な言動」であり「謝罪の受け入れと発言の撤回を半強制的にさせた」と指摘しました。これにより、面談の場を設定するなどした南野議長と大谷副市長についてもパワハラに該当すると認定しました。なお、同席した岩藤副議長については、3人の言動を指摘せず不作為で状況を容認したものの、パワハラ自体には該当しないと認定されました。
特別委員会は問題の要因として、多選や年長の議員に対する忖度など、議会の自浄能力の欠如を指摘しています。そのうえで、議員へのハラスメント研修の実施や、職員との打ち合わせ時の録音義務化などの再発防止策を提示しました。
この報告を受け、長門市議会には政治倫理審査会が設置され、パワハラと認定された林市議と南野議長、および面談に同席した岩藤副議長について、議員としての責任の検証と処分の検討を行うことになりました。
各対象者のコメントは以下の通りです。
重村法弘委員長:
「3名の行為について被害職員に対するパワーハラスメントと認定します」「林議員の態様は議員として非常に不適切であり看過できないほど悪質である」「市民に不信感を与えおわびします。ハラスメント根絶と開かれた市議会になるよう取り組みます」
林哲也市議:
「市民や関係者の皆さまには真摯におわびをしたい」「今後気をつけながら発言は適切にしていきたい」「心配と迷惑をおかけしおわびをしたい。今後このようなことがないよう身を引き締めていきたい」とし、議員辞職などの進退については「考えていない」と述べました。
南野信郎議長:
「議会全体の品位と信用を傷つける重大な事態であると厳粛に受け止めている」「ハラスメントと認められ大いに反省すべきと考えている。進退については、政治倫理審査会の判断に真摯に向き合いたい」「議会の方から、例えば出処進退についての話が、もし仮に上がってきた場合は、会期中に出所進退も含めて今後考えていきたい」と謝罪しました。
大谷恒雄副市長:
「該当職員に対してですね多大な精神的苦痛を与えてしまったという結果についてはですね心から深くお詫び申し上げます」「重く受け止めているし、報告書の内容を精査して今後の対応を決めていきたい」と述べました。
山口県長門市議のパワハラ問題で政治倫理審査会が条例違反を認定
山口県長門市議会の政治倫理審査会は2026年6月29日、市職員へのパワーハラスメント問題を巡り、審査対象となっていた議員らの行為が政治倫理条例違反に当たるとする報告書を議会に提出しました。
報告書によりますと、市職員へのパワハラが認定されていた林哲也議員については「議会の品位・名誉を損なう行為」および「ハラスメント・人権侵害の禁止条項」への違反が認定されました。また、南野信郎議長についても「ハラスメント・人権侵害の禁止条項」に違反したと認定されています。一方、パワハラの場となった面談に同席していた岩藤睦子副議長については、ハラスメントへの加担は認められないとして条例違反には当たらないと判断されました。
同市の政治倫理条例には処分規定がないため、審査会は報告書の中で条例の見直しなどを求めています。林議員は自身の進退について、事案に真摯に向き合うことが責任の取り方であるとし、議員辞職はしない意向を示しています。南野議長は、正副議長が速やかな時期に議長職および副議長職を辞職する旨を他の議員へ伝えていることを明らかにしました。
この問題を受け、同日の市議会全員協議会では、全議員の報酬を2か月間20%カットする条例改正案を開会中の定例会に提出することを確認しました。さらに執行部側も、江原市長の報酬を1か月間10%カットし、同じくパワハラが認定された大谷恒雄副市長の報酬を1か月間20%カットする条例改正案を提出する方針です。
山口県長門市議会の議員への辞職勧告決議案が可決され議長が辞意を表明
山口県長門市議会の議長と議員、および副市長の3人が市職員に対してパワーハラスメントを行ったとされる問題で、市議会は3日の定例会において、議員に対する辞職勧告決議案を賛成多数で可決しました。また、議長は事態の重さを厳粛に受け止めるとして、議長の職を辞任する意向を表明しました。
この問題は、長門市議会の南野信郎議長と林哲也議員、大谷恒雄副市長の3人が、林議員による市職員への威圧的な言動について謝罪する席で、職員側の発言を撤回するよう求めた行為などがパワーハラスメントに該当すると特別委員会から認定されていたものです。
長門市議会では3日、18人の議員のうち8人が連名で林議員への辞職勧告決議案を提出しました。林議員と南野議長を除く16人によって採決が行われ、出席した全議員が賛成したことで決議案は可決されました。
南野議長は、事態の重さを厳粛に受け止めて責任を明確にするため、今回の定例会をもって議長の職を辞職すると発言し、これまでの対応について謝罪しました。
一方、大谷副市長の給与を1か月間、20パーセント減額する処分議案については、「処分内容が軽すぎる」といった意見が出され、否決されました。
林議員は記者団の取材に対し、今回の決定を厳粛に受け止めているとした上で、今後はこれまで以上に言動に注意し、職員と適切な関係を構築しながら議員活動を継続していく考えを述べました。


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