元空自隊員のわいせつ被害訴訟で男性隊員に賠償命令 国への請求は棄却 | 公務員ニュース

元空自隊員のわいせつ被害訴訟で男性隊員に賠償命令 国への請求は棄却

航空自衛隊の基地内において、2階階上の男性隊員からわいせつな行為を受け、被害を報告した後も配置転換といった適切な対応が取られずに精神的苦痛を被ったとして、元空自隊員の女性が国と当該男性隊員を相手取り、総額1210万円の損害賠償を求めた訴訟の判決公判が2026年5月28日、福岡地裁(福岡県)で開かれました。三井教匡裁判長は、男性隊員に対して165万円の支払いを命じる判決を下しました。なお、国に対する賠償請求については棄却されました。

訴状などの内容によりますと、女性と男性隊員はそれぞれ九州地方にある異なる基地に籍を置いており、男性隊員は2つの基地を往復する連絡バスの運転業務に従事していました。女性は2020年7月、自身が勤務する基地内において、この男性隊員からキスをされたり胸を触られたりするなどのわいせつな被害を受けました。女性は当時の上司へ被害の相談を行いましたが、男性隊員の運転業務はその後も継続されました。

空自側は2021年3月になり、女性が被害の申告後も基地内で男性隊員と遭遇していた事実を認識し、男性隊員の該当基地への立ち入り禁止および運転業務からの除外措置をとりました。しかし、女性は被害に遭った後から不眠やフラッシュバックといった症状に悩まされるようになり、2023年3月に依願退官しました。その後、空自側は2023年10月に男性隊員の行為をセクシャルハラスメントと認定し、停職1年の懲戒処分を科しています。

厚生労働省が定める男女雇用機会均等法に基づく指針では、民間事業者に対して職場内でのセクシャルハラスメント発生時、被害者と加害者の引き離しを目的とした配置転換などの措置を求めています。

裁判において女性側は、接触の禁止を求めた後にも基地内で男性隊員と遭遇したことなどを挙げ、「指針に規定されている職場環境の調整義務に違反している」と訴えていました。これに対し国側は、「該当する指針は国家公務員に直接適用されるものではなく、男性隊員の業務を変更するなどしかるべき措置は講じていた」と主張していました。また、男性隊員側も「当時の状況から許容されていると認識しており、不法行為への故意は存在しなかった」として請求の棄却を求めていました。

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自衛隊ハラスメント
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