札幌市内の私立高校で講師を務めていた50代の漫画家の男性から性被害を受けたとして、元生徒の20代女性が損害賠償を求めた裁判。一審の札幌地裁は、男性に賠償を命じる判決を言い渡しましたが、原告・被告の双方がこれを不服として控訴し、舞台は札幌高裁へと移ることになりました。
裁判所が認定した「事実」と「違法性」
判決によりますと、男性は女性が高校1年生の時から自宅へ送る車内で身体を触るなどの行為を始め、その後、ホテルでの性行為に及んでいました。男性は「父親のような存在」として振る舞いながら、性的要求を繰り返していたとされています。
札幌地裁は、当時の女性が未成年で判断能力が未熟であったことや、30歳年上の教員という優位な立場を利用したものであると指摘。「性的自己決定権を侵害した」として、男性の行為を違法と結論づけました。被害女性はその後、PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されています。
小学館の起用継続と「口封じ」疑惑に批判
この問題は出版業界にも大きな波紋を広げています。男性は児童ポルノ禁止法違反で略式命令を受けていましたが、小学館の漫画アプリ「マンガワン」編集部は、この事実を把握しながらも別名義で男性の起用を続けていました。
さらに、編集者が女性に対し、連載再開の中止要求の撤回や口外禁止を含む「示談案」を提案していたことも判明。SNS上では「組織的な口封じではないか」と批判が相次ぎました。小学館側は当初、消極的な対応を見せていましたが、批判の高まりを受けて2026年3月に第三者委員会の設置を発表し、調査を進めるとしています。
「同じ被害を無くしたい」原告女性の思い
原告の女性は3月8日、代理人を通じて「被害の実相を知ってもらい、同じような被害に遭う人を無くしたい」とのメッセージを公表しました。判決が出ても謝罪しない男性への憤りを示すとともに、同様の被害防止を強く訴えています。




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