滋賀県に住む「エホバの証人」の信者の女性が、宗教的な信条を理由に白内障の手術を断られ精神的な苦痛を受けたとして、滋賀医科大学付属病院を運営する国立大学法人滋賀医大に対し、330万円の損害賠償を求める訴えを大津地裁に起こしていたことが4月23日に分かりました。提訴は2026年1月23日付です。
訴状の内容によりますと、女性は滋賀県大津市内の眼科で白内障手術が必要と診断され、2024年1月に紹介先の同病院を受診しました。その際、自身の宗教上の理由から輸血を拒否する意思を文書で伝えたところ、担当医から「エホバの証人の患者は受け入れられない」と診療を拒絶されたとしています。女性はその後、別の医療機関で両目の手術を行いましたが、実際に輸血が必要になる状況は生じなかったといいます。
原告側は、患者の自己決定権を尊重し適切な治療を行うべき病院側が、正当な理由なく診療を拒否したことは公立病院としての義務に違反していると主張しています。女性の代理人弁護士は、医学的に宗教的信念に配慮した治療は可能であったとし、今回の対応は不当な差別であり基本的人権の侵害に当たると指摘しました。
滋賀医科大学付属病院は、ホームページ上で「生命維持のために必要と判断した場合には輸血を行う」との方針を掲載しています。滋賀医大は今回の訴訟について、係争中であることを理由に回答を控えるとしています。



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