長崎県長崎市で2017年、私立海星高校2年の生徒(当時16歳)がみずから命を絶った事案をめぐり、学校側がいじめへの対応を怠ったとして、遺族である両親が計約3200万円の損害賠償を求めた裁判の判決が2026年6月8日、長崎地方裁判所でありました。村上典子裁判長は両親側の主張を一部認め、学校側に対して計330万円の支払いを命じました。
この裁判では、いじめ行為が実際に存在したか、またその行為が生徒の死亡につながる原因となったかどうかが主な争点となりました。
両親側は、生徒が遺した遺書やノート、さらに学校側が立ち上げた第三者委員会の報告書を根拠として提示し、中高一貫校の中学3年2学期から高校2年1学期にかけて、継続的にいじめの被害に遭っていたと主張しました。また、事案が発生した翌月に学校が実施した記名式の生徒アンケートにおいて、回答した40人中28人がいじめやそれを疑わせる出来事を記載していた点に触れ、授業中であっても公然といじめが行われており、担当教諭は容易に把握できたはずだと指摘しました。
これに対し学校側は、独自に実施したアンケート結果について、具体的ないじめの現場を直接目撃したという記述はないと反論しました。いずれの内容も周囲から聞いた話の段階にとどまり、抽象的なからかいやいじめの噂があるという程度の記載にすぎないと主張していました。
この事案においては、学校側が弁護士や臨床心理士など5人の専門家で構成する第三者委員会を設置していました。同委員会は生徒のノートや遺書を精査し、2018年11月に報告書をまとめています。報告書の中では、生徒が校内でお腹の鳴る音をからかわれたことや、それを気にして間食をとるために利用していた小部屋の扉を無理に開けられそうになった行為をいじめと認定し、みずから命を絶つ主要な原因になったことは確実であると言及していました。
しかし、学校側は報告書に論理的な飛躍があるなど複数の問題点を挙げ、内容を受け入れない方針を示したため、両親が2022年11月に損害賠償を求めて提訴していました。
海星高校いじめ自殺訴訟 長崎地裁の判決を不服として遺族が控訴状を発送
長崎県長崎市の海星高校に通っていた男子生徒がいじめを苦に自ら命を絶ったのは学校側が対策を怠ったためとして、遺族が学校側に損害賠償を求めていた裁判で、両親が長崎地裁の判決を不服とし、裁判所に控訴状を発送したことが分かりました。
この裁判は、2017年4月に海星高校の2年生だった男子生徒が死亡したのは校内でのいじめが原因であり、学校がいじめ防止策を怠ったことなどが原因として、両親が学校側に対して約3200万円の損害賠償を求めているものです。
6月8日の長崎地裁判決では、学校側について「いじめを早期に発見するための体制づくりなどの義務を果たしていなかった」と認定し、約300万円の支払いを命じました。一方で、「男子生徒が中学生のときにいじめを受けていたことは認められるが、いじめだけでなく複雑な要因が作用して自殺に至ったと考えられる」とし、死亡といじめの因果関係については認めませんでした。
両親は、いじめの一部が認定されなかったことや、学校側の安全配慮義務違反と死亡との因果関係が否定された点などを不服とし、今月17日付で裁判所に控訴状を発送したとのことです。
2017年の男子生徒自殺を巡る訴訟で学校側が控訴しない方針 長崎地裁の判決受け
2017年に当時高校2年生だった男子生徒が自殺したことを巡り、遺族である両親が学校側に損害賠償を求めていた裁判で、学校側は22日、控訴しない方針を示しました。
この裁判は、2017年に自殺した当時海星高校の2年生だった男子生徒の両親が起こしたものです。両親側は、学校側が適切な対策を怠ったためにいじめを原因とする自殺が起きたとして、約3200万円の損害賠償を求めていました。
長崎県長崎市にある長崎地裁は6月8日、学校側に安全配慮義務違反があったことなどを認め、330万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。一方で両親側は、自殺との因果関係やいじめの一部が認められなかったことを不服とし、福岡高裁に控訴していました。
この一審判決に対し、学校側は22日に控訴を行わない意向を示しましたが、詳細な理由については明らかにしていません。
海星高校のいじめ自殺訴訟判決を受け卒業生有志が抗議文提出 遺族への謝罪など求める
長崎県長崎市の海星高校における男子生徒の自殺を巡り、1審の長崎地裁がいじめの事実を一部認める判決を下したことを受け、同校の卒業生有志が学校側に対して遺族への謝罪などを求める抗議文を送付しました。
抗議文を提出したのは、同校の20代から40代の卒業生14人で構成される有志グループ「名誉連合」です。同グループは2026年6月25日に長崎教区内で記者会見を行い、同月15日付で学校側へ抗議文を送ったことを明らかにしました。
この問題は、2017年に当時2年生だった男子生徒が自殺した事案を巡るものです。生徒の両親は、自殺の原因は校内でのいじめであり、学校側がいじめ防止策を怠ったなどとして損害賠償を求める裁判を起こしていました。2026年6月8日に長崎地裁は、学校側の安全配慮義務違反を認めて約300万円の支払いを命じる判決を出しています。
「名誉連合」の代表を務める井村大和さん(28)は、亡くなった男子生徒の2学年上の先輩にあたり、自身も在学中に同級生から暴力を受けるなどのいじめを経験したということです。井村さんは学校側の対応に誠意が感じられないとしてグループを立ち上げました。
井村代表は会見の中で、教育者として自らの非を改める姿勢が必要であると指摘し、誇れるような学校になってほしいとの思いを述べました。抗議文では、男子生徒に対するいじめの事実を認めて両親へ謝罪することなどを求めており、今後も教育機関として適切な姿勢を示すよう働きかけていくとしています。
学校側は今回の抗議文について、弁護士と相談した上で検討する意向を示しています。



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