長崎県内の市町職員らの年金額を決定する長崎県市町村職員共済組合(理事長・岡田伊一郎東彼杵郡東彼杵町長)において、2001年ごろから2024年にかけて20年以上にわたり事務処理上の確認漏れがあり、年金の支給不足が相次いで発生していることが2026年7月10日、同組合への取材で分かりました。組合によりますと、同年6月末時点で17人分、1人あたり最大6万8731円の未払いが判明しています。年金受給者は約1万8000人おり、組合は全容の解明に至っておらず、対象者が増加する可能性があるとのことです。
組合によりますと、業務見直しの目的で、保管している給与記録データと所属先から提出される在職中の月給や賞与を記載した人事台帳「履歴書」を目視で突き合わせる作業を2001年ごろに廃止したとのことです。この確認が徹底されず、情報を正確に反映できなかったことなどが未払いの原因とされています。2024年9月ごろに内部からの指摘があり、問題が発覚しました。
最大となる6万8731円の未払いは2008年2月から2024年11月にかけて発生しており、2ヶ月に1回の1支給期あたり約680円の不足が積み重なった結果だとしています。そのほかに判明している分の多くは、未払い額が1000円未満とのことです。
法令上、この突合作業は義務付けられていませんが、上部組織である全国市町村職員共済組合連合会は、2015年10月に共済年金が厚生年金へ一元化される際、従来の方法で給与記録の確認を行うよう各都道府県の構成組合へ通知し、「突合が望ましい」としていました。
問題の発覚後、同組合は「確認方法は保険者の裁量の範囲内であり、ミスと言われるものではない」と主張する一方で、履歴書との突合作業を再開しました。また、「件数や金額が限定的であり、個別通知で適切に対応できる」などの理由から問題を公表していません。年金改定時などに支給額の過不足がないか「確認を進める」としていますが、対象者が死亡し、相続人もいないケースなど、修正が行えない事態も想定されます。
年金制度の信頼を損なう事態を受け、所管する長崎県市町村課は2026年5月27日付で、適正な事務処理ができる体制の確立を図るよう文書で通知を行いました。



コメント