元衆議院議員今野智博被告 弁護士名義貸しを否定 東京地裁(続報あり)

弁護士名義を無資格者に貸し、法律事務を行わせたとして弁護士法違反(名義貸し)の罪に問われている元衆議院議員の今野智博被告の公判が3月16日、東京地裁で開かれ、被告人質問が行われた。

法廷で今野被告は、詐欺被害者からの依頼案件を受けていた目的について「自分自身の金儲けを考えていたことはなく、詐欺被害に遭った人の救済や、社会に広がる詐欺事件の抑止につなげたいという思いで取り組んでいた」と述べた。

また、検察側が主張する弁護士名義の貸与については全面的に否定し、「依頼を受けた913人すべての案件について、被害金回収のための加害者特定や示談交渉などは自分自身が行っており、事務員に任せたことはない」と説明。回収業務のため、1日に20時間以上作業することも多く、土日や祝日も休まず業務に当たっていたと語った。

被告人質問では、今野被告が行っていたとする回収業務の具体的な数字も示された。それによると、詐欺事件で使われた銀行口座の凍結申請は3161件、加害者の住所などを特定するため弁護士会に行う弁護士会照会の申し立ては1813件、さらに詐欺加害者や口座名義人などに対する損害賠償請求は2519件以上に上るという。

示談交渉などの結果、回収した債権額は3億円を超えていることも明らかにされた。なお、この金額には凍結された銀行口座から被害者へ直接支払われる被害回復分配金は含まれておらず、それを加えれば回収額はさらに大きくなると説明された。

一方、検察側は、今野被告が行ったとされる回収作業は弁護士法違反の成立とは関係がないとの立場を示している。依頼を受ける際に今野被告自身が依頼者と直接面談していなかった点や、依頼者との委任契約書の作成作業を事務員に行わせていた点などを挙げ、これらの行為から弁護士法違反が成立すると主張している。

被告人質問の後、今野被告の弁護団はコメントを発表。2024年6月の逮捕直後、捜査機関側が「今野被告は回収業務を行っておらず、回収額もほとんどない」とする内容を報道機関に発表していたが、今回の審理でそれが事実と大きく異なることが明らかになったと指摘した。

さらに、一般的な弁護士の名義貸し事件では、弁護士が実務を行わず名義貸し料のみを受け取る構図が多いとしたうえで、「今回のケースはそれとは全く異なる」と主張。依頼された案件を今野被告自身が処理していた以上、契約書の作成を事務員が行っていたことだけで弁護士法違反が成立することはないとして、「今野被告に弁護士法違反は成立しない」との見解を示した。

次回の公判は4月24日に開かれ、検察側による論告と弁護側の弁論が予定されている。

元衆院議員の今野智博被告に有罪判決 弁護士法違反の罪で東京地裁

弁護士資格を持たない人物に自身の名義を貸して法律事務を行わせたとして、弁護士法違反(非弁提携)の罪に問われていた元衆議院議員で弁護士の今野智博被告(50)に対し、東京地裁は18日、懲役1年6か月、執行猶予3年(求刑・懲役1年6か月)の判決を言い渡しました。

判決によりますと、今野被告は2023年12月から2024年1月にかけて、弁護士資格のない知人らに自らの名義を使用させ、詐欺事件の被害者5人に対し、被害回復のための手続きを説明するなどの法律事務を行わせました。今野被告はこれまでの公判で「弁護士でない者に法律事務をさせたことはない」として無罪を主張していました。

検察側は、東京都内に設立された事務所のスタッフらが詐欺被害者へ助言を行ったことなどが法律事務に該当すると指摘したのに対し、弁護側はスタッフらが今野被告の指示のもとで補助作業をしていたと反論していました。

大川隆男裁判長は判決で、「弁護士業務に対する社会的信頼を損ね、強い非難に値する」と指摘する一方で、「利用されて流されてしまった面もある」と言い渡し、今回の判決を下しました。なお、この事件を巡っては、名義を利用した知人らも同法違反などの罪に問われ、すでに有罪判決が確定しています。

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