滋賀県大津市は24日、市内の埋蔵文化財に関する「発掘調査報告書」について、2018年度から2022年度までの5年間で計11件が実際には発行されていなかったと発表しました。市文化財保護課の職員4人が業務多忙を理由に原稿を完成させられず、報告書を刊行したと偽って印刷会社2社に対し、計約296万円を不適切に支払っていたということです。
市の説明によりますと、調査報告書は文化庁の通知に基づき、調査完了後に市が契約を結んで印刷・製本を行うことになっています。未刊行となった11件では、別の部署が業者と契約を締結していましたが、納入期限までに原稿が間に合わなかったにもかかわらず、業者側は印刷・製本が完了したとして事務処理を進めていたとのことです。
昨年11月、同課の職員が報告書の欠品に気づき、内部調査を行ったことで今回の事態が発覚しました。未刊行のうち2019年度の1件については、国や県から計約37万円の補助金を受給しており、市は国と県に経過を報告しています。今後は関係職員の処分や補助金の返還等について検討する方針です。
大津市ではマンションや宅地開発が相次ぎ、職員が発掘調査と報告書作成の両業務に追われていたといいます。該当する職員は「開発業者から調査を急ぐよう要望もあり、他の業務を抱える中で、一人で調査から刊行までの責任を背負っていた」と話しているということです。
今回の問題に対し、川島英和市民部長は「業務の進捗管理を徹底するとともに、職員へのコンプライアンス研修を実施する」と陳謝しました。



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