中部運輸局は2026年3月27日、点検整備や検査を適切に行わずに「保安基準適合証」を不正に交付したとして、三重県鈴鹿市の自動車整備事業者に対し、事業の取消処分などを行ったと発表しました。
処分の対象となったのは、三重県鈴鹿市にある「リトルガレージ(代表:田中正樹氏)」です。
中部運輸局によりますと、同事業者は道路運送車両法に違反し、点検や検査を全く実施せずに書類上だけで車検を通す、いわゆる「ペーパー車検」を409台行っていたほか、検査の一部を省略して適合証を交付するなど、あわせて2,000台を超える車両に対して不正な手続きを行っていました。
これを受け、同運輸局は自動車特定整備事業の認証取消および指定自動車整備事業の指定取消を行い、関与した自動車検査員1名に対して解任命令を出しました。
中部運輸局は、安全確保の根幹を揺るがす重大な違反として、厳格な対応をとっています。
なぜ最悪の「指定取消」に?みなし公務員の特権を悪用したペーパー車検の代償
今回のニュースで、中部運輸局が「認証取消」および「指定取消」という、事業者にとって最も重い処分(事実上の営業停止・一発退場)を下した背景には、不正の規模の大きさ(計2,000台以上)だけでなく、「みなし公務員としての信頼を完全に踏みにじったこと」に対する国の強い危機感があります。
民間車検場(指定自動車整備工場)が持っている「国に代わって車検の合否を判定できる権限」は、本来なら国(運輸支局など)の検査場に車を持ち込まなければならない手間を省ける、非常に大きな特権です。この特権が与えられているからこそ、経営者や検査員は法律上で「みなし公務員」とされ、高い倫理観が求められています。
しかし、今回リトルガレージが行った行為は、点検も検査も一切せずに書類だけを偽造する「ペーパー車検」をはじめとする組織的な大規模不正でした。これは、みなし公務員に与えられた「国の公的な証明書を発行する権限」を、私利私欲のために悪用して国を騙し続けたことを意味します。
公的な車検制度の根幹と、道路の安全確保を根底から揺るがした今回の事件。刑事裁判での有罪判決に続き、今回の「事業取消処分」が下されたことは、国から預かった公共の権限(みなし公務員の立場)を汚した事業者に対して、行政側がいかに厳格な姿勢で臨んでいるかを明確に示す結果となりました。



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