宮城県の気仙沼市選挙管理委員会は2026年6月8日、同市議会議員の遠藤秀和氏の当選を無効とする決定を下しました。
公職選挙法が定める被選挙権の要件では、当該の自治体に3か月以上住所を有し、その後も引き続き居住している必要がありますが、同選挙管理委員会は遠藤氏に居住の実態がなかったと判断しています。
遠藤氏は2026年5月の取材に対し、月曜日、水曜日、金曜日は自宅で寝泊まりしているという旨の説明をしていました。
しかし、同選挙管理委員会が調査を行ったところ、2026年1月から2026年2月中旬までの期間、宮城県気仙沼市本吉町にある遠藤氏の自宅において、電気の使用が一切確認できなかったということです。同選挙管理委員会はこれらの状況から、議員資格の要件を満たしていないと結論付けました。
宮城県気仙沼市議選で再選の遠藤秀和市議が当選無効判断を不服として県選管に審査申し立てへ
4月に実施された宮城県気仙沼市議会議員選挙で再選を果たした遠藤秀和市議(58)に対し、同市の選挙管理委員会は今月8日、「居住実態がない」として当選を無効とする判断を下しました。これに対し遠藤市議は、生活実態に関する法解釈に誤りがあるとして、当選無効の取り消しを求める審査を26日に宮城県の選挙管理委員会へ申し立てる意向を示しています。
元同市職員である遠藤市議は、旧本吉町(現在の気仙沼市)の出身で、34年前に結婚を機に妻の実家がある同県登米市へ転居し家族と暮らしていました。その後、2021年12月に住民票を気仙沼市へ移し、翌2022年4月の市議選で初当選してからは、登米市の自宅から約32キロメートル離れた気仙沼市で単身赴任生活を送っていました。
遠藤市議の説明によりますと、日常生活の全般に介助を必要とする重度の障害を持った次男がおり、約2年前に介助を担っていた義父が亡くなって以降は、入浴や車いすへの移動などの大きな負担を伴う介助のため、登米市の自宅へ赴く回数が増加したということです。障害福祉サービスの態勢面から、気仙沼市での同居は現実的ではないとしています。
公職選挙法では、地方議員の立候補条件として「選挙まで3か月以上その自治体内に住所がなければならない」と定めており、これは住民票の有無だけでなく実際の生活実態を指します。市選管は、夜間の寝泊まり場所を重視する過去の判例に基づき、遠藤市議がガスコンロによる自炊をほぼ行わず、入浴や洗濯を登米市で済ませていた点から、電気使用量を判断の材料としました。選挙前3か月間の夜間の電気使用量から計算した結果、2月に気仙沼市の自宅に宿泊した日数が約3割にとどまったことや、家族との寝食の拠点が登米市内であったことなどを理由に「気仙沼市内に住所がなかった」と結論付けました。
一方、遠藤市議はこの判断に対し、電気使用量の基準に客観的な裏付けがなく不合理であると主張しています。遠藤市議が地元の振興会役員を務め、近隣住民に頻繁に目撃されている事実は市選管も認定しているほか、選挙前3か月間は妻の新型コロナウイルス感染や福島県に住む三男の世話といった個別の事情が重なったとし、電気使用量に偏らず総合的に判断することを求めています。
なお、当選無効はまだ確定していないため、遠藤市議は現在も市議として議会に出席を続けています。県選管は審査の申し立てから60日以内に判断を下す予定ですが、遠藤市議はどのような判断が出されたとしても、その後に裁判で争う意思はないとしています。



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