三田市民病院(現在の三田市民・済生会病院)で育児短時間勤務制度を利用していた48歳の看護師の女性が、支給されなかった手当など約16万円の支払いを三田市に求めた訴訟の判決が神戸地方裁判所でありました。寺本佳子裁判長は市に対し、全額を支払うよう命じました。判決は2026年6月11日付です。手当を算定する根拠となる「勤務を要する日数」をフルタイム職員と同じものとして扱った市の運用について、判決では「勤務者ごとに個別に判断すべきである」との見解が示されました。
問題となったのは、月額で支給される特殊勤務手当の一種である「看護師業務手当」です。三田市の条例では、1カ月のうち特殊勤務に従事した日数が「勤務を要する日数」の2分の1に満たない場合には、この手当を支給しないと定められています。市はこの規定に基づき、女性に対し2021年9月分から2023年3月分までの計16万3320円を支給していませんでした。
裁判での主な争点は「勤務を要する日数」の解釈でした。判決によると、同病院が定める1週間の勤務時間はフルタイム職員が計38時間45分、育児短時間勤務職員が計23時間15分となっています。女性側はこれに基づき、育児短時間勤務職員の「勤務を要する日数」はフルタイム職員の5分の3に当たる日数になるとし、女性の勤務日数は不支給とされた期間も2分の1を超えていたと主張しました。
これに対し市側は、育児短時間勤務職員であっても「勤務を要する日数」はフルタイム職員と同一であり、女性の勤務日数は2分の1未満であると反論していました。
女性側は「地方公務員育休法が禁じている、育児短時間勤務を理由とした不利益な取り扱いに該当する」と指摘し、市側は「対象となる業務に一定の日数以上勤務した職員に報いるための手当である」として運用の正当性を訴えていました。



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