沖縄県名護市辺野古沖で船2隻が転覆し、平和学習中だった同志社国際高校(京都府京田辺市)の女子生徒ら2人が死亡した事故について、文部科学省は22日、学校側に対する調査結果を公表しました。松本洋平文部科学相は同日の閣議後記者会見で調査結果と見解を明らかにし、同校が実施した平和学習の内容が「政治的活動」に該当し、教育基本法に違反していると判断したことを示しました。これに伴い文科省は同日付で、運営元である学校法人同志社(京都府京都市)に対し、教育基本法や学習指導要領に則った適切な教育活動を行うよう求める通知を出しました。
松文科相は会見で、同校の研修旅行における計画策定や当日の対応、教育活動のあり方について「著しく不適切であり、学校法人と学校側の責任は非常に重い」と厳しく指摘しました。さらに、今回の事態を受けて、全国の学校を対象に安全管理や適切な教育活動の実施状況に関する調査を近いうちに行う方針を表明しました。
この事故は2026年3月16日に発生したもので、小型船2隻が相次いで転覆したことにより、生徒18人を含む計21人が海へ投げ出され、同校2年生の女子生徒(17)と男性船長(71)の2人が死亡しました。転覆した船は普段、米軍普天間飛行場の移設工事に対する抗議行動に使われていたもので、海上運送法に基づく事業登録がされていなかったほか、船長が生徒に操縦をさせていたことも分かっています。
公表された調査結果によりますと、今年の研修旅行初日の開会礼拝メッセージにおいて、事故で亡くなった抗議船「不屈」の船長から「基地建設に反対し、入るなと言われているエリアにあえて入って抗議する。陸では警察の機動隊に、海では海上保安庁に拘束される」といった発言があったほか、過去の旅行時にも「抗議活動の一端を見てほしい」などの呼びかけがあったことが確認されました。
さらに、昨年の研修旅行の際には、辺野古移設に反対する「ヘリ基地反対協議会」名義で領収書が発行されていたことや、過去複数年にわたり、しおりに基地反対の「座り込み」を生徒へ促す文言が記載されていたことも判明しました。
文科省はこれらの点を踏まえ、研修旅行が政治的活動に当たると判断し、事前・事後学習も含めて特定の主張や考え方に偏った内容であったと結論付けました。また調査結果では、各学校が沖縄で行う平和学習について、政治的な中立性を維持し、一方的な見解を配慮なしに取り上げることがないよう、適切に実施する必要があるとの見解を示しています。
同志社国際高側は文科省の調査に対し、「抗議活動に使用されているボートに生徒を乗せる行為は、政治的な意味を帯びているように捉えられる恐れがあった」と説明しました。沖縄への研修旅行については「これまでの慣例に従う状態が続いており、校内で積み重ねてきた平和学習をあえて積極的に変更する必要性があるという考えには至らなかった」と話しているとのことです。
文科省は同校の平和教育の内容や旅行中の安全管理に関し、京都府を通じて調査を進めてきたほか、2026年4月24日には職員が学校法人同志社を訪問して直接聞き取り調査を行っていました。



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