長野県辰野町の空き家バンク制度を巡り、元職員の男性が不正行為を行っていた問題について、被害者、加害者、関係会社の間で令和8年4月8日に3者合意が成立し、事件が終結したことが分かりました。
発表によると、本件の被害者であるA氏が、加害者である元職員の伊藤善彦氏および関係した会社との間で合意に至り、被害弁償を受けることとなりました。これに伴い、A氏が伊藤氏への刑事立件を求めない意向を示したため、町の顧問弁護士が伊那警察署刑事課に関係資料を提出して説明を行いました。また、A氏から町に対する使用者責任の損害賠償請求についても、顧問弁護士による事実上の被害弁償処理に伴い、一切の法的責任を追及しないことで解決しています。
町は、A氏が刑事事件としない方針をとったことを受け
- 空き家バンク制度を悪用されたことによる偽計業務妨害で起訴する理由と必要性がなくなったこと。
- 使用者責任を求められることがなくなったこと。
- 地方公務員法違反としての告発については、すでに懲戒免職処分によって終了しており、伊藤氏が社会的制裁を受けていることを勘案し、弁護士との相談の上で町としての告発を取りやめ、一連の対応を終結させました。
この問題は、令和6年度にまちづくり政策課地方創生ふるさと納税係長として空き家バンク制度を担当していた伊藤氏(当時44歳・有機農業推進担当係長)が、登録申請された物件を町のサイトに故意に掲載せず、所有者には「買い手が見つからない」と虚偽の説明をして売却価格を下げさせ、自ら150万円で購入したものです。伊藤氏はその9日後に仕事で知り合った会社へ月額5万円で賃貸し、さらに5年後に580万円で売り渡す契約を結んでいました。
町は令和7年12月2日に懲戒処分等審査委員会を開催し、伊藤氏を同日付で懲戒免職処分としていました。また、監督責任を怠ったとして辰野町長および令和6年度の担当課長を10分の1減給1ヶ月の懲戒処分としたほか、すでに退職していた副町長からも10分の1減給1ヶ月相当額が町へ寄付されています。さらに、職員の自覚を促すため、令和8年1月30日には全職員を対象とした倫理研修会を開催していました。

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