最高裁が所沢簡裁の略式命令を違法と判断 法定刑にない科料40万円を言い渡し

最高裁第二小法廷(高須順一裁判長)は10日の判決で、盗撮未遂事件を起こした男性に対し、埼玉県にある所沢簡易裁判所が法定刑にない「科料40万円」の略式命令を出したことについて、本来は言い渡すことができないものであり「違法だった」との判断を示しました。

事件では、男性が2024年に駅のエスカレーターで被害者のスカート内を盗撮しようとしたとして、性的姿態撮影処罰法違反(撮影未遂)の罪に問われ、2025年8月に略式起訴されました。所沢簡裁は「科料40万円」の略式命令を出し、翌月に確定していました。

しかし、この罪の法定刑は当時、3年以下の懲役(現在は拘拘禁刑)または300万円以下の罰金のみで、科料は含まれていません。また、刑法において科料は「1000円以上1万円未満」と定められています。最高検察庁によりますと、略式起訴の段階で検察側は罰金刑を求めていましたが、有罪確定後に法令違反が見つかったため、畝本直美検事総長が2025年12月に確定判決などの誤りを是正する「非常上告」の手続きを取っていました。

第二小法廷は判決理由において、男性が法定刑にない科料を科されたことは「法令違反が明らかである」と指摘し、裁判官4人全員一致の結論として略式命令を破棄しました。

刑事訴訟法では、非常上告の際に誤って本来よりも重い判決が確定していた場合、その判決を破棄して改めて判決を言い渡すと定められています。第二小法廷は、男性の行為を考慮すれば「罰金40万円」が妥当としつつも、罰金よりも科料の方が軽い刑とされるため、元の判決よりも重い刑となる罰金を改めて言い渡すべきではないと判断しました。

今回の判決を受け、略式命令の執行手続きを担う検察当局が今後の対応を検討するとみられます。最高検は「判決内容を精査して適切に対応したい」とコメントしています。

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