福岡市職員アンケートで議員からの威圧的言動や質問原稿作成の実態が判明

福岡県福岡市は2026年8月24日、市議会議員に対する職員の対応実態に関するアンケート結果を公表しました。

今回のアンケートは、福岡県議会において職員互助会による政治資金パーティー券の組織購入や他会派の質問案の共有が問題となったことを受け、福岡市議会でも同様の事例がないかを把握する目的で実施されました。対象は区役所と外郭団体を除く課長級以上の職員599人で、8月6日から8月19日にかけて実施され、566人が回答しました。回答率は約94.5%でした。

調査結果によると、議員対応で経験したこと(複数回答可)として、以下の回答がありました。

・議員のことを「先生」と呼ぶ:247人
・長時間にわたって威圧的な言動を受ける:147人
・精神的に著しい苦痛を受け、心身の不調が生じる:26人
・議場または委員会室に議員が入退室する際、起立して出迎えや見送りを行う:18人
・その他:55人
・上記の経験はない:239人

自由記述には、議員からの厳しい言動や、メモを取ることを怒鳴られる、反省文の提出を要求される、質問答弁や説明の際に厳しい叱責を受けるなどの訴えが含まれていました。また、委員会で長時間にわたり前向きな答弁を求められることや、水分補給やトイレ離席ができない状況があったこと、時間外の勉強会設定、金曜夕方の大量照会、勤務時間中の政党機関紙の勧誘などの指摘もありました。なお、水分補給やトイレ離席ができなかった点について福岡市が個別ヒアリングを行ったところ、飲み物の持ち込みや離席ができるルールを職員が知らなかったためと説明されています。政党機関紙の政党名については公表されていません。

また、2023年度以降に議員の質問原稿などを作成して提供したことがあるかという質問に対しては、61人(回答者の約1割)が「ある」と回答しました。提供先の会派(複数回答可)は、自由民主党が51人、自民党新福岡が25人、公明党が6人、無所属が3人、新しい風ふくおかが2人、福岡市民クラブが1人でした。作成内容(複数回答可)は「質問原稿(読み文)の全部」が32人、「設問の一部」が28人、「設問の全部」が18人などとなっています。理由は「議員から作成を求められたため」が36人、「質問の趣旨を明確にするため」が34人、「特定の議員・会派に便宜を図るため」が2人でした。福岡市は、テーマや骨子のみを受け取って職員が質問の大部分を作成したケースなどを不適切と判断しています。

一方、議員から得た質問情報を了解なく他の議員に提供したことがある職員は3人で、理由は「質問内容が他の議員と重複していたため」としています。政治資金パーティー券を親睦会などで組織的に購入したことがあるかという質問には、回答者566人全員が「ない」と回答しました。

アンケート結果を受けて、福岡市は8月24日付で職員に対し、以下の3点を通知しました。

1. 議員の質問原稿等を作成しないこと(事実誤認の訂正など必要な調整を除く)。
2. 委員会では委員長に申し出ることで飲み物の持ち込みやトイレ離席が可能であるため、必要な対応を行うこと。
3. 議員の呼称は「議員」または役職名とすること。

あわせて、福岡市は福岡市議会に対し、以下の3点を申し入れました。

1. 議員による威圧的な言動が行われないよう配慮し、職員が萎縮せず答弁できる環境を確保すること。
2. 資料要求の準備期間確保や勉強会の勤務時間内終了に努め、時間外勤務が必要最小限となるよう配慮すること。
3. 職員に対する政党機関紙等の勧誘は勤務時間中に行わないなど、節度ある対応を徹底すること。

カテゴリー
地方議員ハラスメント
公務員ニュースをフォローする

コメント