福岡県は2026年6月8日、川崎町議会から除名処分を受けた同町議会議員の政時喜久美氏による審決の申請に対し、処分を取り消す審決を下したと発表しました。職員への「盗人」といった発言などを理由とした除名について、県は議会側における自律権の逸脱や濫用に当たり違法であると指摘しました。
この事案は、政時氏が2025年12月2日の定例会までに取った複数の言動を理由に、同月11日に町議会が除名処分を決定したものです。政時氏はこの処分を不服として同月24日付で福岡県知事へ審査請求を行い、県の決定により2026年2月18日付で処分の執行が停止されていました。
町議会側が懲罰の理由に挙げた4つの事由について、福岡県は以下のように判断を示しました。
まず、無案内での行政区長会総会への立ち入りや役場敷地内でのマイクを使用した抗議活動、過去の町長への発言など計3件については、3日以内に提出するという議会の会議規則に反していることや、議場外での行為であること、すでに別の懲罰を受けている二重懲罰にあたることなどから、懲罰の対象にはならないと結論付けました。
また、2025年12月の定例会における複数の不穏当な発言のうち、質問内容の削除要請を「口封じ」と表現したことや、議会だよりの形式変更への不満、議長と法人の利害関係を疑う発言については、表現に問題はあるものの一定の合理性があり、議事進行を妨げていないため懲罰事由には当たらないと判定しました。
県は、公金を紛失して賠償した職員を「盗人」と呼んだ発言のみが懲罰事由に該当すると認めましたが、この発言単体をもって除名という最も重い懲罰を科すことは、議会自律権の範囲を逸脱した違法な処分であると判断し、2026年6月8日付で処分を取り消しました。
福岡県内において、自治体議会による除名処分を県が取り消すのは2009年以来となります。川崎町議会は、現時点で県からの通知を受領していないためコメントは控えるとしています。



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