足利市議会は3月13日、栃木県足利市の市議2人にハラスメント行為の疑いがあるとして、政治倫理審査会を開きました。条例で定める政治倫理基準に違反するかどうかを審査します。
対象となっているのは、尾関栄子市議(72)と鳥井康子市議(59)です。議員の立場を利用して市職員に不当な働きかけを行い、ハラスメントにあたる行為があった疑いがあるとされています。
別の市議4人が提出した審査請求書によりますと、2024年9月20日、鳥井市議は土曜日にもかかわらず、面識のある50代男性の生活保護申請の手続きを電話で市の社会福祉課の職員に求めたとされています。
さらに週明けの月曜日、執務時間外に尾関市議と鳥井市議の2人が事務室に無言で立ち入り、生活保護費をすぐ支給するよう求めたとしています。生活保護が決定した10月2日まで、両市議はほぼ毎日窓口を訪れ、職員に圧力をかけたとされています。
審査請求書では、議員が相談を受けて行政の窓口につなぐ活動自体は理解できるとしながらも、「議員の地位を利用して特定の人に有利な扱いを求めた行為は行き過ぎだ」と指摘しています。
一方で、尾関市議と鳥井市議は「内容が一方的に切り取られている」として、疑いに反論しています。
栃木県足利市議会の政倫審が市議2名によるハラスメント行為を認定
栃木県足利市議会の政治倫理審査会は2026年5月7日、市役所での会合において、尾関栄子市議(73)と鳥井康子市議(60)の2名による行為が政治倫理条例に違反すると認定しました。
事案の経緯によりますと、両市議は車中泊で体調を崩した男性の生活保護申請を補助する際、土曜日に市役所へ電話をしたほか、平日の窓口業務終了後に担当部署へ急迫時の対応を要求するなどしたとされています。
審査会は、職員からの聞き取り調査などを踏まえ、以下の2点を全会一致で認定しました。
一つは、保護決定前の保護費の仮払いを求めるなどの行為が、条例で禁止されている「職員の公正な職務執行を妨げる働きかけ」に該当すること。もう一つは、一連の対応によって職員がストレスを感じたことを重視し、同じく条例で禁じられている「他者へのハラスメント行為」に該当することです。
両市議は男性の状況に緊急性があったと主張していましたが、審査会ではその主張は認められませんでした。
今後、議会としての具体的な処置について検討が進められます。現時点では、議長による注意や議場での謝罪文の読み上げを求める意見が出ており、5月14日の次回会合で改めて協議される見通しです。
足利市議会が生活保護申請への不当介入を認定し女性市議2人を厳重注意
栃木県足利市議会は6月2日、政治倫理条例違反に当たる行為があったとして、尾関栄子、鳥井康子の両市議に対し、斎藤昌之議長が議場で注意を行い、同様の内容を記した文書による注意処分も科しました。今回の措置は、政治倫理審査会(政倫審)による審査報告に基づき実施されたものです。
事案の経緯によりますと、両市議は2025年9月、知人の車で車中泊を続け体調を崩していた男性の生活保護申請をサポートしました。その際の言動について、市側から「不当介入」であるとの指摘を受けていました。
政倫審の場において、両市議は男性の健康状態に加え、住居や所持金がない経済的な急迫事態であったことも主張しました。しかし、政倫審側は「急迫性を判断する場ではない」としてこれを認定の判断基準とはせず、両市議の強い口調や度重なる窓口への同行について、市職員に対するハラスメントや職務妨害に該当すると認定しました。
行われた注意は、それぞれの議員に対して個別に事実を認定した上で、「市民から選ばれた社会的立場を自覚し、二度とこのような事態を引き起こさないよう厳重に注意する」という内容でした。
処分に対し、鳥井議員は「急迫した状況をより明確に示し、職員ではなく権限を持つ課長に対応を求めるべきだったという反省はある」と述べています。一方で、「政倫審では反省点も含めて誠実に説明したつもりだが、それが認定に反映されなかった。どのような審議が行われたのか、議事録を確認してほしい」とも話しています。なお、審査の議事録は、職員からの聞き取りを行った4月21日の第4回分を除き、同市議会のホームページで公開されています。
栃木県足利市議らの処分に対し支援団体が撤回を求める意見書を提出
栃木県足利市内の男性による生活保護の申請に際し、市職員に対するハラスメント行為などがあったとして、尾関栄子市議(73、7期)と鳥井康子市議(60、2期)が市議会から議長注意などの処分を受けた問題で、弁護士らで構成される「生活保護問題対策全国会議」と、生活困窮者の支援を行う「つくろい東京ファンド」の2団体は23日までに、市議会と市に対して処分の撤回と生活困窮者への適切な支援体制の構築を求める意見書を提出しました。



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