大阪地方検察庁特捜部での取り調べにおいて、机を叩いて罵倒を繰り返したなどとして特別公務員暴行陵虐の罪に問われている検事側が、刑事裁判で無罪を主張する方針を固めていることが、関係者への取材により明らかになりました。
この事件では、2019年に発生した学校法人の土地取引に関する横領事件の捜査を担当していた、当時大阪地検特捜部の田渕大輔検事(54)が、関係者への取り調べの際に威圧的な言動を行ったとして罪に問われています。裁判に向けた事前協議において、弁護側が無罪を主張する方針を提示したとのことです。
取り調べの録音・録画記録には、検事側が「検察なめんなよ」などと強い口調で迫る様子が残されており、これらの言動が精神的・身体的な苦痛を与える「陵虐」に該当するかどうかが、今後の公判における主な争点になる見通しです。なお、初公判は2026年7月に開かれる方向で調整が進められています。
この裁判は、公務員の職権乱用罪などで告訴・告発した事案が不起訴処分になった際、裁判所に直接刑事裁判の開始を求めることができる「付審判」の手続きを経て決定されたものです。
問題となった取り調べは、大阪府にある不動産会社「プレサンスコーポレーション」の元社長である山岸忍さんの部下に対して行われました。この部下は当初、横領事件への山岸さんの関与を否定していましたが、検事側から机を叩かれながら「うそだろ」と責められたほか、「会社の評判を落とした大罪人」「10億、20億では済まない損害を賠償できるのか」などと言い寄られた結果、最終的に山岸さんの関与を認める供述へと転じました。
その後、山岸さんは逮捕・起訴されたものの、裁判で無罪が確定しています。山岸さんへの無罪判決を言い渡した大阪地方裁判所は、部下の供述について「真実かどうかに疑念が残る」として信用性を認めず、検事の取り調べについても「真実とは異なる供述を行う強い動機を生じさせかねない」と批判していました。
山岸さんは検事による違法な取り調べがあったとして刑事告発したものの、大阪地検が嫌疑不十分で不起訴としたため、付審判請求を行い、2024年に大阪高等裁判所が裁判の開始を認める決定を下していました。
大阪地検特捜部の元検事による特別公務員暴行陵虐事件 初公判が7月10日に決定
学校法人の土地取引をめぐる横領事件の捜査において、取り調べ中に机をたたくなどの罵倒を続けたとして、特別公務員暴行陵虐の罪に問われている元大阪地検特捜部の検事、田渕大輔被告(54)の初公判が、今年7月10日に大阪地方裁判所で開かれることが決定しました。
この事件は2019年(令和元年)12月、不動産会社「プレサンスコーポレーション」の元社長である山岸忍氏(63)が逮捕・起訴された(のちに無罪が確定)業務上横領事件に起因するものです。当時、捜査を担当していた田渕被告は、山岸氏の元部下(同罪で有罪が確定)への取り調べにおいて、机をたたきながら「検察なめんなよ」「プレサンスの評判をおとしめた大罪人」などと発言し、威圧的な取り調べを行ったとされています。
山岸氏は、田渕被告が一度不起訴処分となったことを不服として、刑事裁判を開くよう求める「付審判請求」を行っていました。これを受けて大阪高等裁判所が2024年(令和6年)に請求を認める決定を下したため、今回の裁判が開かれることになりました。公務員による犯罪を審理するこの手続きにおいて、検事が刑事裁判の被告となるのは全国で初めての事例です。
取り調べの録画映像には、田渕被告が厳しい言葉で迫る様子が記録されており、裁判ではこうした言動が精神的・身体的な苦痛を与える「陵虐」に該当するかどうかが主な争点になる見通しです。関係者によると、被告側はこれまでの協議の中で無罪を主張する方針を示しているということです。
元検事の取り調べ映像を法廷で再生へ 大阪地検特捜部の無罪事件巡り
大阪地検特捜部が捜査を担当した業務上横領事件で無罪が確定した事案を巡り、違法な取り調べを行ったとして特別公務員暴行陵虐罪に問われている元特捜部検事、田渕大輔被告(54)の審判が進行しています。この裁判で検察官役を務める指定弁護士の山口昌之氏らが2日、大阪府大阪市内で記者会見を行いました。
山口指定弁護士らは、取り調べに違法性があったことを証明するため、当時の録音・録画映像を証拠として請求する方針を示しました。これにより、7月15日に予定されている第2回公判の法廷において、1時間15分ほど映像が再生される見通しであるとのことです。
会見には山口氏のほか、2人の指定弁護士が出席しました。審判に向けた補充捜査の過程で、田渕被告の電子メールの記録などを集めたほか、当時の事件捜査に関与した検察官や検察事務官など延べ数十人への聴取を実施したことを明らかにしています。
なお、一連の元となった業務上横領事件では、不動産会社「プレサンスコーポレーション」の元社長である山岸忍氏(63)の無罪が確定しています。
取り調べ中に暴言、特別公務員暴行陵虐罪に問われた検事が初公判で無罪を主張
取り調べの際に相手を激しく罵倒したなどとして、特別公務員暴行陵虐の罪に問われた検事の初公判が開かれ、被告の検事は無罪を主張しました。
特別公務員暴行陵虐の罪に問われているのは、検事の田渕大輔被告(54)です。起訴状などによりますと、田渕被告は大阪府にある大阪地検特捜部が担当した土地取引をめぐる横領事件の捜査において、不動産会社「プレサンスコーポレーション」の元社長である山岸忍さんの関与を否定していた山岸さんの元部下に対し、長時間にわたって叱責や罵倒を繰り返し、精神的な苦痛を与えたとされています。
この裁判は、のちに無罪が確定した山岸さんが、大阪府の大阪高検による不起訴処分を不服として主任検事の刑事裁判を求めた「付審判請求」が認められたことにより開始されました。
本日開かれた初公判において、田渕被告は「陵辱や加虐の意図は一切なかった。特別公務員暴行陵虐罪には当たらないと考えている」などと述べ、起訴内容を否認し無罪を主張しました。


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