長野県諏訪市が50代の男性に対して行った生活保護の廃止処分について、長野県は処分の取り消しを求める裁決を出しました。失踪を理由とした市の対応に対し、男性の支援者側は「拙速な判断は命に関わる」として市へ改善を求めています。
男性と支援者は4日夕方、諏訪市に対して今回の生活保護廃止処分に関する検証を行うよう申し入れました。男性には知的障害があり、働くことが困難な状態であったため、7年前から生活保護を受給していました。2024年12月に騒音問題などを理由に当時の自宅を退去した後は、漫画喫茶やホテルなどを転々とした後、医療関係者らの支援を受けて長野県内の施設で生活を営んでいました。
その一方で、諏訪市側は男性の捜索を行ったものの居場所の特定ができなかったとし、自宅の退去から10日後に「失踪」を理由として生活保護の支給を廃止しました。この措置に対し、男性は「突然支給を打ち切られて困窮した」として長野県へ不服申し立ての審査を請求していました。
請求を受けた長野県は5月、諏訪市の判断について手続き上の違法性はないとしつつも、「失踪と断定する時期があまりにも早く、その考え方には誤りがあるため、不当と言わざるを得ない」と判断し、処分を取り消す裁決を下しました。
男性をサポートする上伊那生協病院のソーシャルワーカー、鮎沢ゆかりさんは「生活に困窮した人々の最後の生存権を脅かすような対応が見受けられる」と指摘し、市は男性の自立の難しさを把握していたはずだと主張しました。処分の取り消しを求める裁決に対し、諏訪市は「男性に不快な思いをさせてしまい申し訳ない。裁決を厳粛に受け止める」と陳謝し、今後の対応について検討を進める意向を示しています。

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