山口地検岩国支部が今年1月、検察審査会の審査員の氏名を外部に流出させていたことが関係者への取材で分かりました。本来、審査員を務めた人物の特定につながる情報は秘密事項とされていますが、同地検支部は岩国検察審査会の審査員11人の氏名を秘匿処理しないまま関係書類を外部に送付していたということです。法務・検察当局は文書の回収を行っておいらず、流出への対応が放置された状態になっています。
毎日新聞が情報の流出先を取材して問題の文書の写しを確認したところ、実際に審査員11人の氏名がフルネームで記載されていました。1948年に検察審査会制度が開始されて以降、審査員の個人情報が集団で流出したことが明らかになるのは今回が初めてです。制度の信頼性に関わる事態となっていますが、法務・検察当局はこの件について公表していません。
検察審査会は、選挙権を有する18歳以上の一般市民からくじで選ばれた11人で構成され、不起訴処分の妥当性を審査する組織です。「起訴相当」「不起訴不当」「不起訴相当」のいずれかを議決し、その要旨は庁舎の掲示板に掲示されますが、審査員の氏名は記載されません。どのような議決内容であっても、加害者や被害者から逆恨みされる恐れがあるため、個人情報の秘匿は制度の重大な原則とされています。
この件について山口地検の幹部は、プライバシーに関わることがあるとして回答を控えています。
なお、検察審査会法では、検察審査員が評議の秘密や職務上知り得た秘密を漏らした場合には6カ月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金を科すと定めていますが、審査員自身の個人情報が流出した事態を想定した罰則規定は設けられていません。


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