大阪府大阪市にある大阪市立大学病院(現在の大阪公立大学病院)で2019年、手術後の男性患者の容体が急変して低酸素脳症となった医療事故をめぐり、遺族が損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は16日、病院を運営する公立大学法人大阪に対し、約4600万円の支払いを命じました。
訴状などによりますと、2019年12月、右手首の骨折手術を受けた当時79歳の男性患者に対し、麻酔医が通常より多い量の鎮静薬などを投与したことで容体が急変し、一時心肺停止となりました。男性患者はその後低酸素脳症となり、意識が回復しないまま2023年7月に死亡しました。
遺族側は、看護師による術後の観察が不十分で心肺停止の発見や対応が遅れたことや、医師から看護師への情報共有不足など複数のミスがあったとし、約1億5000万円の損害賠償を求めて2024年11月に提訴していました。
この事故をめぐっては、事故発生から約3年にわたり公表されていなかったことが2022年に判明し、病院側が会見で謝罪していました。当時の会見で病院側は、看護師による機器の設定ミスや医師からの情報共有不足によって発見が遅れたと説明していました。
16日の判決で大阪地裁は、医療事故によって重い後遺障害が生じた責任を認めた一方、男性患者が死亡したのは事故から約3年半後で死因も肺炎だったとして、事故と死亡との因果関係は認めませんでした。また、内部基準に基づく事故公表については公益目的のものであり原告に対する義務ではないとして、不法行為には当たらないと判断しました。
判決後に取材に応じた亡くなった男性の長男は、「父が生きてきた意味、父の尊厳を守るためにここまで闘ってきた。医療従事者のみなさんには同じような医療事故が二度とないように徹底していただきたい」と語りました。
病院側は「判決内容を精査したうえで、適切に対応してまいります。今後も医療安全の向上と再発防止に真摯に取り組んでまいります」とコメントしています。



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