つくば市の生活保護不適正事務問題で監査結果報告 管理職2人への損害賠償請求を適正と判断

茨城県つくば市で生活保護行政の不適正な事務処理が相次いで発覚した問題について、同市の監査委員は18日、市職員の不適正事務により市が被った損害額のうち、当時の管理職2人に計74万1872円を損害賠償請求することが適正であるとする監査結果をまとめました。約74万円については、職員の故意または重大な過失による損害と判定されています。同市は今後の対応として、職員に対する損害賠償請求の有無や請求金額、関係者の処分を検討する方針です。

対象となった2人は、2018年度から2023年度まで生活保護を担当する市社会福祉課の課長や課長補佐、福祉部次長などを務めていました。監査結果では、請求すべき金額の内訳について、課長を務めた管理職Aに13万4247円、課長補佐や課長、福祉部次長を務めた管理職Bに60万1165円としています。

今回の監査は今年6月に市長からの要求を受けて実施されました。2025年6月に同市福祉部が報告書に記載した不適正事案7件のうち、市が損害を負担した6件について調査が行われました。

調査対象となった6件のうち、残業代および特殊勤務手当の未払いによる遅延利息については、組織的な不備や解釈の違いなどから管理職個人の故意または重大な過失は認められないとし、損害賠償請求の対象外と判断されました。

一方、診断書料等の過支給については、管理職Bが厚労省の基準に反することを認識しながら是正しなかったため重大な過失があったと認定され、誤支給総額6万4130円のうち市の損害1万6150円の4割にあたる6460円の賠償責任を負うとされました。

また、障害者加算および重度障害者加算の誤認定による過支給では、対応の放置や手続きの不備について管理職の重大な過失が認められたものの、自立更生費への算定や徴収手続きの継続により、市に損害が生じたとは認められないと判断されました。障害者加算を巡っては、2022年11月に担当ケースワーカーから問題提起を受けた管理職Bが県の回答を放置し、会議記録が回覧中に行方不明となって2024年1月に発見される経緯もありました。

不適切な債権管理による国庫負担金への未算定に関しては、適切な債権管理を行わず国の交付を受けられなかったことについて、2018年の県監査以降も対応を怠った管理職2人に重大な過失が認められました。ただし、経理担当職員が1人であったことや以前からの組織的慣行であった事情などを考慮し、賠償請求額は市の損害額の2割を限度とし、着任期間に応じて管理職Aと管理職Bが連帯して賠償責任を負うと決定されました。

監査委員は監査結果とともに7つの意見を添えており、残業代や手当を申請しやすい環境の整備、厚労省の要領や問答集に沿った事務処理と照会体制の徹底、職員からの問題提起を適切に受け止める組織風土の醸成などを求めています。

一連の不適正事務は職員による内部告発から発覚したもので、公益通報などを行ってきた当時の生活保護担当職員は、管理職の責任や組織的な不備が認定された点を評価しつつも、人員配置や組織運営を決める側の責任も含めた市全体の組織のあり方について検証が必要であるとの見解を示しています。

地方公務員その他不祥事
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