「大川原化工機」を巡る冤罪事件で、勾留中に亡くなった元顧問の相嶋静夫さんの遺族が、裁判官らの判断は違法だったとして、2026年4月6日に国を相手取り損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こしました。
相嶋さんは勾留中にがんが判明し、弁護側が体調悪化を理由に何度も保釈を請求しましたが、いずれも却下されました。その後、相嶋さんは適切な治療を速やかに受けられないまま、2021年に亡くなっています。
遺族側は、逮捕状や勾留状を出した裁判官、および保釈の請求を退けた裁判官ら、当時の判断に関与した計37人の行為が不当であったと指摘しています。一連の裁判所の判断は違法であるとして、国に対して約1億7000万円の賠償を求めています。
大川原化工機の事件を巡っては、起訴後に検察側が起訴を取り消しており、捜査や勾留のあり方が厳しく問われてきました。今回の提訴により、司法判断の妥当性についても改めて審理されることになります。
大川原化工機えん罪事件 勾留中に死亡した元顧問の遺族が国を相手に賠償請求
「大川原化工機」をめぐるえん罪事件において、身柄を拘束されている最中に死亡した元顧問の遺族が、裁判官による保釈却下によって違法な身柄拘束が継続したなどと主張し、国に対して損害賠償を求めた裁判が29日、東京地方裁判所で開始されました。
神奈川県横浜市に拠点を置く化学機械メーカー「大川原化工機」をめぐるえん罪事件では、逮捕・起訴されていた元顧問の相嶋静夫さん(当時72)が、勾留中に発見された胃がんにより亡くなっています。
相嶋さんの遺族は、逃亡の危険性がない状態であったにもかかわらず、裁判官が逮捕状および勾留状を発付したこと、さらに8回に及ぶ保釈の申し立てを却下したことで不当な拘束が続いたとして、国に対して約1億7000万円の賠償を求めています。
東京地裁で29日に開かれた第1回口頭弁論では、相嶋さんの長男が意見陳述を行い、「生命に関わる深刻な状態であったにもかかわらず、裁判官は保釈請求の却下を繰り返した。理由の開示は全くなされず、悪魔と向き合っているかのようだった」と当時の状況を述べました。
また、裁判長らに対しては、「裁判官は、警察や検察側の主張をただ漫然と受け入れた。真実を知る父がどれほどの絶望を感じていたか、裁判官は人間として想像を巡らせるべきである。皆さんの良心に期待している」と言葉を向けました。
これに対し、国側は請求の棄却を求める姿勢を示しました。
なお、このえん罪事件をめぐっては、無実が証明された「大川原化工機」の社長らが東京都と国を相手取って賠償請求訴訟を別途起こしており、警視庁公安部と東京地方検察庁による捜査の違法性を認め、計約1億6600万円の賠償支払いを命じた判決がすでに確定しています。


