詐欺罪に問われたもののその後に逆転無罪が確定した愛知県名古屋市の63歳の男性が、検察官によって自身に有利な証拠を隠され、さらに虚偽の論告を行われた結果として一審の有罪判決を受けたとして、国に対して損害賠償を求めていた裁判の判決が下されました。名古屋地方裁判所は2026年5月29日、国の責任を認め、110万円の支払いを命じました。
無罪確定の元社長への検察官の対応巡る賠償命令 国が控訴断念の方針
詐欺の罪に問われた後に無罪が確定した元社長の刑事裁判において、起訴内容と矛盾するSNSのやり取りを把握していた検察官の対応の違法性を認めた名古屋地方裁判所の判決について、国側が控訴しない方針を明らかにしました。
愛知県名古屋市に存在したコンサルティング会社の60代の元社長は、2018年に知人から現金3000万円をだまし取った罪に問われましたが、その後に無罪が確定しました。元社長は、起訴内容と矛盾する知人らのSNSのやり取りを担当検察官が把握していたにもかかわらず有罪を求めたのは違法であるとして国に損害賠償を求め、名古屋地方裁判所は2026年5月、検察官の対応の違法性を認め国に110万円の賠償を命じる判決を言い渡していました。
この判決に対し、名古屋地方検察庁は2026年6月12日、「1審判決を覆すほどの新たな主張や立証が見当たらないことや、昨今、検察の活動に対するさまざまな厳しい指摘があり、公正な職務遂行に疑いを生じさせないようにするという観点から控訴しないこととした」という国側の方針を公表しました。
さらに名古屋地検は、最高検察庁が2024年にこの検察官の対応について調査を行っていた事実も明かしました。調査の結果、「SNSのやりとりを入手した時点で、任意に開示するかどうかを検討することが望ましかったと考えられる」とまとめられ、証拠の開示に思いが至らなかったとして該当の検察官に対する指導が行われたとのことです。
名古屋地検はこれらを踏まえ、「引き続き、検察の理念にのっとり、適正な捜査、公判活動に努めてまいりたい」とのコメントを発表しています。



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