エホバの証人信者が治療拒否を巡り熊本大学に損害賠償を求め提訴

宗教団体「エホバの証人」の信者であることを理由に、熊本大学病院から治療を断られ精神的な苦痛を受けたとして、熊本県内に住む男女6人が、国立大学法人熊本大学を相手取り、総額1980万円の損害賠償などを求める訴えを熊本地裁に起こしていたことが6月1日、分かりました。提訴は2026年3月20日付です。

訴状によりますと、6人は同病院で胸部や肺の精密検査などを受ける際、自身が信者であることを説明したところ、輸血を拒んでいることを理由に診療を拒否されたと主張しています。原告側は「輸血を拒む患者に対して一律の条件を設け、診察の段階で選別を行っており、不合理で差別的な対応である」と訴えており、病院側の方針が憲法14条の「法の下の平等」や憲法20条の「信教の自由」に違反していないかどうかの確認も求めています。

原告側の代理人弁護士は、正当な医療を求めたにもかかわらず、病状などの臨床的な必要性とは関係のない理由で診療を拒否されたとして病院の対応を批判しています。これに対し、熊本大学病院は取材に対し「対応を検討中である」とコメントしています。

同病院は、宗教的な理由による輸血拒否への対応として、輸血をしない形での診療が可能と判断できれば治療を継続するものの、輸血が必要となる事態が想定される中で拒否される場合は、別の病院への転院などを要請するという方針を公表しています。

なお、エホバの証人の信者は宗教上の教義から輸血を拒む傾向にあり、過去には名古屋市立大学や滋賀県大津市にある滋賀医科大学に対しても、同様の趣旨の訴訟が起こされています。

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