滋賀県大津市にある地方独立行政法人・市立大津市民病院で2022年に医師が大量退職した問題を巡り、退職した外科医ら3人がパワハラや退職の強要を受けたとして、病院や元理事長(前理事長)、元院長を相手取り、慰謝料や未払い退職金など計約2900万円の支払いを求めた訴訟の判決が5日、大津地裁でありました。田野倉真也裁判官は、原告の医師1人に対する退職強要の事実を認め、被告側に100万円の支払いを命じました。一方で請求額からは大幅な減額となりました。
訴状や判決によりますと、原告の医師3人は2021年に元理事長から業績不振を指摘された際、「京都府立医科大のチームに来てもらおうと思っている」などと退職を迫られ、翌年に同病院を退職しました。原告側は、京都大学医学部から派遣されていた医師らを、元理事長らの出身校である京都府立医科大学の医師と入れ替える「不法な動機があった」と主張していました。
2021年9月に行われた面談には医師1人と元理事長らが出席しており、元理事長は医師に対して退職してもらうとの決定を繰り返し通知していました。田野倉裁判官は判決の理由の中で、この面談における元理事長の発言について、社会通念上相当とされる範囲を超えており退職強要に該当すると指摘しました。医師に与えた精神的苦痛と退職を余儀なくされたことへの慰謝料として100万円を認めたほか、元理事長の意向に賛同していた当時の元院長や病院側についても賠償責任を負うと判断しています。
一方で、パワーハラスメントの事実については認定されませんでした。また、残る医師2人については、この面談に同席しておらず、もう1人の医師を通じて元理事長の意向を聞いたに過ぎないため強要には当たらないとして、強要や退職金に関する請求は退けられました。
判決を受け、医師側の代理人は「退職強要が1人に認められたのは評価できるが、2人に認定されなかったのは想定外」とコメントしました。また、市立大津市民病院は「慰謝料の額は想定より大きかった。判決内容を精査し、弁護士と今後の対応を検討する」としています。


コメント