大阪府母子寡婦福祉連合会の元職員が約4000万円を着服 懲戒解雇と理事長らの処分を発表

大阪府のひとり親支援事業の補助金や委託料などの送金を請け負う社会福祉法人「大阪府母子寡婦福祉連合会」(大阪府枚方市)は2026年10月13日、元事務局職員が人件費支出をめぐり約10年間にわたって約4000万円を着服していたと発表しました。大阪府も同日、本件について発表しています。

1996年に入職し2013年から法人本部で経理を担当していた元職員は、2016年10月から2026年7月にかけて、ひとり親の就業支援事業などに関して大阪府等から法人に振り込まれた補助金や委託料を含む人件費の振り込み時に不正操作を行い、総額約4000万円を自身の口座に送金して着服していました。

事業に関する法人口座の出金状況は当該元職員しか確認できない態勢になっていましたが、法人が通帳の共有を求めていたところ、2026年7月22日に元職員自らが着服を申告したことで発覚しました。調査委員会の聞き取りに対し、元職員は「異動に伴い年収が100万円ほど減少した中で、自宅マンションのローン返済や両親の介護等で生活が苦しかった」と話したということです。

法人は外部委員を含めた懲罰委員会の意見を受けて、元職員を2026年9月18日付で懲戒解雇処分としました。また、元職員に会計事務の適正化を求め続けて自白を導いた情状を勘案し、直接の管理監督職員を2026年9月30日付で訓戒処分としたほか、2026年10月8日の理事会において滝本美津代理事長を戒告処分とすることを決議しました。

着服金額および調査経費などの全額について元職員は返済に合意していますが、着服された人件費の原資には大阪府等からの補助金や委託金が含まれているため、法人は今後大阪府等と協議の上で相当額を返納する方針です。大阪府は損害額などが確定次第、返還を求めるとともに、監査を通じて再発防止策の実施状況を確認し必要な指導を行うとしています。

法人は再発防止策として、振込手続きにおける作成者と承認者の分離、出納業務の複数担当制、通帳と印鑑の保管者の分離を既に実施したほか、月次チェックの強化や外部専門家を交えた内部管理体制の見直しを進めるとしています。