京都大学病院は、良性の脳腫瘍を摘出する手術で、腫瘍のない部分を誤って摘出する医療事故が発生したと発表しました。
手術を受けたのは50代の女性で、日常生活を送っていましたが、めまいやふらつきの症状があり、症状の悪化を防ぐため、「小脳橋角部」にできた良性の脳腫瘍を摘出する手術を受けました。
手術は先月下旬に行われ、周辺に神経が通っていることから、約10時間をかけて実施されました。しかし、手術後も患者の意識と自発呼吸が戻らなかったため、MRI検査を行ったところ、本来摘出するはずだった腫瘍ではなく、腫瘍のない部分を切除していたことが判明しました。切除されたのは、呼吸や運動をつかさどる脳幹の一部などだということです。
手術には執刀医を含む3人の医師が立ち会っていました。執刀医は40代の男性で、脳神経外科で20年以上の経験があり、今回と同様の手術を過去に約100件行っていたということです。
執刀医は手術中、切除した組織が腫瘍かどうかを確認する検査を2回実施しました。しかし、いずれも「腫瘍とは確認できない」との結果が出ていたにもかかわらず、手術を続けたということです。
京都大学病院脳神経外科の荒芳輝診療科長は、こうした検査で腫瘍ではないと判断されるケースはあると説明したうえで、今回については執刀医が判断を誤ったとしています。
京都大学病院によりますと、脳腫瘍の手術は年間156件行われています。病院は今回の事故について事故調査委員会を設置し、詳しい原因を調べるとしています。
また、手術中の映像はすべて保存されており、医療安全管理部の松村由美部長は、手術中に誰がどのように動いていたかまで確認できると説明しています。
患者の脳内には摘出する予定だった腫瘍が残っており、現在も人工呼吸器による管理が続いています。回復の見込みについては不明だということです。
事故を受け、京都大学病院では脳腫瘍の摘出手術を行う際、複数の医師による確認を徹底しているとしています。



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