2024年11月に埼玉県さいたま市西区にある私立埼玉栄高校のグラウンドで、グラウンド整備用の軽乗用車が横転し、助手席に乗っていた当時17歳の男子生徒が死亡した事故について、男子生徒の両親が同校を運営する学校法人佐藤栄学園や当時の関係者らを相手取り、合計約1億3662万円の損害賠償を求めてさいたま地方裁判所に提訴することが2026年8月31日、埼玉新聞の関係者への取材で分かりました。提訴は9月1日にも行われる見通しです。
事故は2024年11月16日夜に発生しました。同校男子サッカー部のグラウンド整備用軽乗用車に生徒ら4人が乗車していた際、のり面に乗り上げて車が横転し、助手席の男子生徒が死亡しました。埼玉県警察は2025年11月、車を運転していた男子生徒を自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いで書類送検したほか、2026年3月にはサッカー部の男性教諭2人を業務上過失致死傷の疑いでさいたま地方検察庁に書類送検しています。
訴状によりますと、死亡した男子生徒の両親が原告となり、学校法人佐藤栄学園、理事長、校長、サッカー部の部長や監督、コーチ、舎監などの学園側関係者に加え、車を運転していた男子生徒、同乗していた生徒とその保護者らを被告として指定しています。
原告側は、事故の背景として学校側の車両管理体制に不備があったと主張しています。鍵は本来、監督室で管理される手はずでしたが、2023年3月以降は無施錠の車内に保管される状態が常態化しており、誰でも容易に利用できる環境であったとしています。また、生徒による無断運転も恒常化しており、事故の約1か月前にも同一の生徒が同じ場所で車を運転して横転させる事案が発生していたにもかかわらず、学校側が調査や再発防止策を講じていなかったと指摘しています。さらに、生徒が生活していた寮についても、無断外出が容易な状態でありながらそれを放任していたとして責任を問うています。
2026年2月に公表された第三者委員会による調査報告書では、生徒や車両に対する管理不備の放置が事故の要因として挙げられていました。原告側は、報告書の公表後も学園側が保護者や遺族に対して充分な説明の機会を設けていない点などを問題視し、国が求める対応水準に達していない不誠実な事後対応であるとして、慰謝料増額の算定根拠として主張しています。


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