生活保護費の引き下げは違法 最高裁が減額決定を取り消す判決

国が2013年から2015年にかけて生活保護費を引き下げたのは違法だとして、受給者らが減額決定の取り消しを求めた訴訟の上告審で、最高裁判所第3小法廷(林道晴裁判長)は23日、引き下げを違法と判断し、減額決定を取り消す判決を言い渡しました。裁判官5人全員一致の意見で、受給者らの逆転勝訴が確定しました。

対象となったのは、秋田県秋田市、兵庫県神戸市、佐賀県、熊本県の各地裁に起こされた4件の訴訟です。これまでの二審判決では請求を棄却し、減額決定を適法としていましたが、最高裁はこれらを破棄しました。

国は2013年から2015年にかけて、食費や光熱費などの日常生活に充てる生活扶助の基準額を平均で6.5%、最大で10%引き下げ、約670億円を削減しました。そのうち約580億円分は物価の下落率に基づく「デフレ調整」を、残る約90億円分は一般の低所得世帯の生活水準と比べる「ゆがみ調整」を根拠としていました。

第3小法廷は、2025年6月の最高裁判決を踏襲し、デフレ調整を行う際に物価の下落のみを指標とし、消費の動向などを考慮しなかったことは専門的知見との整合性を欠くと指摘しました。その上で、厚生労働大臣の判断には裁量の範囲の逸脱や乱用があったと結論づけ、減額決定を取り消しました。なお、低所得世帯との均衡を図る「ゆがみ調整」については判断を示しませんでした。

秋田市の訴訟では、原告の生活保護受給者10人が処分取り消しなどを求めており、原告代表は「勝ったという思い。追加給付が半分になったが、そこがどう変わるか期待している」とコメントしています。また、秋田市の沼谷純市長は「国の指示に従って対応していく」と述べています。

国家公務員
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