東京女子医大病院の2歳男児死亡事故で医師2人に判決 現場責任者に有罪 研修医は無罪(続報あり)

東京都新宿区の東京女子医大病院で2014年、首の腫瘍の手術後に鎮静剤「プロポフォール」の投与を受けた当時2歳の男児が死亡した事故をめぐり、業務上過失致死罪に問われた麻酔科医2人の判決公判が2026年5月29日、東京地方裁判所で開かれました。細谷泰暢裁判長は、同病院中央集中治療部の副運営部長で現場責任者だった小谷透被告(66)に禁錮1年6カ月、執行猶予3年(求刑・禁錮1年6カ月)の有罪判決を言い渡しました。一方、男児の容体管理に関わった当時研修医の福田聡史被告(44)については無罪(求刑・禁錮1年)としました。

起訴状などによりますと、両被告は2014年2月、リンパ管腫で手術を受けて同病院の中央集中治療室に入院し人工呼吸器を付けていた男児に対し、術後の鎮静目的で約70時間にわたりプロポフォールを大量に投与し、容体の変化に適切に対応せず急性循環不全によって死亡させたとして、2021年1月に在宅起訴されていました。

プロポフォールは大量投与により心不全などの副作用が生じる危険性があり、医薬品の添付文書では、集中治療室で人工呼吸中の小児に鎮静目的で使用することが「禁忌(きんき)」と明記されていました。検察側は、国内外で死亡例があり危険性を予見できたにもかかわらず、高用量の投与を漫然と続けたと主張。これに対し弁護側は、死因と投与の因果関係は証明されておらず、死亡の可能性が高まる明確な基準もなかったため予見は不可能だったとして、2023年12月から始まった公判で無罪を訴えていました。

なお、男児の両親は今回の刑事裁判とは別に、小谷被告ら麻酔科医に対して損害賠償を求める民事訴訟を起こしており、過失と賠償責任を認めた東京地裁の判決がすでに確定しています。

東京女子医大病院の医療事故で有罪判決の元准教授が控訴

東京都新宿区にある東京女子医大病院で2014年2月、手術を受けた当時2歳の男児が、使用が禁止されていた鎮静剤プロポフォールを大量に投与された後に死亡する医療事故がありました。この件で業務上過失致死の罪に問われ、東京地裁から禁錮1年6月、執行猶予3年の有罪判決を受けた麻酔科医の元准教授、小谷透被告(66)の弁護人が、判決を不服として控訴したことが9日までに分かりました。控訴は4日付です。

5月29日に言い渡された東京地裁の判決では、小谷被告とともに同じ罪に問われていた44歳の元研修医に対しては、無罪の判決が下されていました。

判決の記述によると、亡くなった男児は2014年2月に首の良性腫瘍を取り除く手術を受けました。小谷被告は手術の後、集中治療室(ICU)における医療行為全般の指揮を執り、プロポフォールの投与を指示したとされています。しかし、その後の容体を観察して適切な措置をとるべき注意義務を怠った結果、不整脈などを引き起こさせ、男児を死亡させたという判断が示されています。

東京女子医大病院の2歳児死亡事件で元研修医の男性医師の無罪が確定

2014年に東京都新宿区の東京女子医科大学病院において、当時2歳の男児に鎮静剤であるプロポフォールを大量に投与し、副作用により死亡させたとして業務上過失致死罪に問われていた医師2人のうち、当時研修医だった男性(44)の無罪が確定しました。検察側が期限までに控訴を行いませんでした。

東京地方検察庁の市川宏次席検事は15日、「判決内容を精査した結果、控訴はしないこととした」とのコメントを発表しました。

5月29日の東京地方裁判所による判決では、集中治療室の現場責任者であった小谷透被告(66)に禁錮1年6カ月、執行猶予3年の有罪判決が言い渡される一方、男児の容体管理に関与した男性(44)には無罪が言い渡されていました。なお、小谷被告は有罪判決を不服として控訴しています。

2人は2014年2月、手術を終えて人工呼吸器を装着していた男児に対し、プロポフォールを長時間続けて投与し、急性循環不全によって死亡させたとして在宅起訴されていました。裁判において、2人はともに無罪を主張していました。

判決では、プロポフォールの投与と男児の死亡との間に因果関係があったと認定されました。その上で、医師としておよそ30年の経験を持っていた小谷被告については「過失の責任を免れない」とした一方、男性については麻酔に関する専門的な知識がなく、副作用による死亡を予見することは不可能であったと判断されました。

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