10日、東京都に所在する警察庁は、海外出張などに絡み捜査費およそ174万円を不正に取得して私的に流用したなどとして、長官官房付で前サイバー捜査課長の伊貝耕男性警視長(55)を懲戒免職処分にしました。また同日、東京都を管轄する警視庁は、不正に受け取った捜査費のうちおよそ90万円について、詐欺や背任、偽造有印私文書行使などの疑いで伊貝前課長を書類送検しました。
伊貝前課長は国家公務員総合職の技官として採用されたキャリアで、2022年6月から長期出張の形でオランダのハーグに本部を置く欧州刑事警察機構(ユーロポール)に海外連絡担当官として派遣されていました。その後、2025年9月にサイバー捜査課長に就任し、今年6月まで全国のサイバー分野の捜査を取り仕切るサイバー警察局のサイバー捜査課長を務めていました。
警察庁や関係者によりますと、伊貝前課長は海外連絡担当官として派遣されていた期間とサイバー捜査課長を務めていた期間にあたる2022年7月から今年4月までの間(2022年から2026年ごろにかけて)、およそ50回にわたり捜査費を不正に受け取っていたとされています。
海外出張の際、海外捜査機関の関係者への謝礼品を購入した際の領収書を偽造したり、部下と食事した際の代金を海外捜査機関の関係者と食事したと偽ったりしたほか、欧州などでの捜査協力者への謝礼や海外の治安機関との交流会費用について水増しや架空請求を行っていました。自らの業務用のパソコンに領収書の画像を取り込み、イラスト機能などを使って日付の偽造などをしていたとみられています。
不正に得たお金は、生活費や遊興費、身内との会食費のほか、調査で判明した知人女性との不適切な交際費用などに充てられていました。なお、不正に受け取った捜査費はすでに全額返済されています。伊貝前課長は「国民の皆様にご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げたい」と話しているということです。
警察庁はユーロポール派遣当時の上司らについても監督責任を問い処分する方針です。また、再発防止策として、海外で捜査費を使用する際に具体的な計画書を事前に提出することや、課長自身の捜査費の使用について官房長などが確認するなど、捜査費の使用を厳格に管理していく内容の通達を出しました。
警察庁は「捜査費の適正執行を確保する立場にある幹部職員によるこのような行為は言語道断であり、国民の皆様に深くお詫び申し上げます。今回策定した再発防止策を迅速かつ確実に実施し、国民の皆様の信頼回復に努めてまいります」としています。
捜査費不正受領の警察庁元課長を起訴猶予 東京地検
東京都に所在する警察庁サイバー警察局の前サイバー捜査課長を務めた55歳の男性について、東京都の東京地検は30日、起訴猶予による不起訴処分としたことを発表しました。
この男性は2022年から2026年4月までの間、欧州刑事警察機構への派遣期間やサイバー捜査課長としての在任中、海外出張における捜査協力者への謝礼や治安機関との交流費用の水増し、架空請求、偽造領収書の使用などにより、捜査費約90万円を不正にだまし取ったなどとして、詐欺や背任などの疑いで東京都の警視庁から9月10日に書類送検されていました。なお、男性はすでに懲戒免職処分を受けています。
東京地検は起訴猶予の理由について、不正に得た被害金が全額弁済されていることや、懲戒免職処分により社会的制裁を受けていることに加え、その他諸般の事情を総合的に考慮したとしています。


