陸上自衛隊海田市駐屯地(広島県海田町)に所属していた広島県広島市内の元陸士の男性(24)が、上官からパワーハラスメントを受けてうつ状態になったなどとして、国に約880万円の損害賠償を求める訴訟を広島地裁に起こしたことが分かりました。提訴は11日付です。
17日には、男性の母親(54)が広島県広島市中区で記者会見を開き、真相解明や再発防止を訴えました。
訴状などによりますと、男性は2021年10月から2025年3月まで陸士として勤務していました。2024年9月に右足を骨折し、自衛隊で「半長靴」と呼ばれる戦闘靴を履ける状態ではなかったにもかかわらず、同年11月ごろまで威圧的な口調や暴言とともに半長靴を履くよう繰り返し命じられ、右足が変形したとしています。ほかにも、就職活動の妨害や有給休暇中の勤務強要、熱中症への不当な対応があったと主張しています。
男性の調査申し出に対し、自衛隊側は指示の存在こそ認めたものの、実際には履いておらず威圧的な言動もなかったなどとして、ハラスメントには該当しないと認定しました。一方で、男性が加害者として訴えた上官らは、部下を持たない部署へ事実上降格されたということです。
男性は退職後、2025年4月から民間会社で正社員として働き始めましたが、うつ状態により勤務ができなくなり休職しました。今年7月からは別の会社で契約社員として働いているものの、体調は回復していないとしています。
会見で母親は男性の手紙を代読し、「自衛隊内の過酷なハラスメントの実態を知ってもらいたい」という本人の訴えを伝えたほか、「裁判での徹底的な真相解明と、ハラスメントを根絶する具体的な対策が講じられることを強く願う」と話しました。
海田市駐屯地の広報担当者は取材に対し、「詳細を確認中のため、現時点では回答できることがない」とコメントしています。



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