沖縄県石垣市が設置する市消防団に所属していた男性が、不当な扱いを受けて退団を余儀なくされたなどとして、石垣市に対して220万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が、2026年5月21日に福岡高等裁判所那覇支部でありました。裁判長は、男性の請求を棄却した一審の那覇地方裁判所石垣支部の判決を取り消し、石垣市側に対して11万円の支払いを命じました。
判決によりますと、2021年4月に開催された防災講演会において、活動服で参加した消防団員に報酬が支給される仕組みに納得しなかった男性は、私服で参加しました。その後、全体のグループLINEで参加状況を聞かれた際、男性は市民との均衡や参加姿勢を懸念する内容のメッセージを投稿しました。これに対し、団幹部は厳重注意を伝え、同月末には男性宅を訪問して退団を勧めました。さらに同年5月には、理由を伝えないまま全体グループLINEから男性のアカウントを削除しました。男性は2022年9月に退団しました。
裁判長は判決理由において、男性の投稿内容は消防団や個人に対する具体的な誹謗中傷には当たらず、懲戒の対象にはならないと判断しました。その上で、幹部による退団の勧めは過剰な対応であったと指摘しました。また、グループLINEへの参加は団員としての業務遂行に不可欠であるとし、事前の告知なく削除した行為は男性の人格権や適切な環境で働く利益を侵害する違法なものであると認定しました。
一方で、退団を強く迫られたとする男性側の訴え自体は退けられました。
判決を受け、男性側の代理人弁護士は、主張の一部が認められたことは受け止めるものの、精神的被害の大きさに鑑みると認められなかった部分がある点は残念である旨を表明しました。また、石垣市の担当者は、判決内容を詳しく確認した上で今後の対応を検討するとしています。



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