神奈川県海老名市が実施した農家向けの補助金事業において、申請書類の日付改ざんや写真の使い回しなどの不適切な事務処理が行われ、不正に支給されていたことが明らかになりました。
問題となったのは、物価高騰対策として農家が農作物を運搬する車両を購入または買い替える際、経費の2分の1(上限200万円)を補助する事業です。
2026年7月21日に公表された監査報告書によりますと、申請数の8割を超える31件で不正が確認されました。具体的な内容として、納車が間に合わない車両に対して別の農家が提出した写真を使い回したほか、領収書の日付の改ざん、金融機関の証明書類の組織的な偽造が判明しています。また、本来は対象外となる一昨年度に購入された車両や、今年度に納車予定の車両も補助対象として処理されていました。
監査報告書では、担当課が「補助金の支出を優先して考えた」「一人でも多くの農業従事者を支援したかった」とし、組織的な判断で改ざんを行っていたと指摘されています。
2026年7月23日の海老名市議会において、内野優市長は「市政を預かる者として、深くおわび申し上げます」と謝罪しました。
監査報告書からは不正への組織的関与を明らかにするよう勧告が出されていますが、萩原圭一副市長は現時点で第三者委員会などによる調査を行う考えはないとしています。海老名市は担当職員への聞き取り調査を行い、不正支給の金額などの事実関係を確認したうえで、2026年8月20日の市議会で職員の処分や再発防止策について説明・報告する予定です。
神奈川県海老名市が補助金不正交付で職員6人を懲戒処分
神奈川県海老名市が実施した農業振興対策事業補助金を巡り、提出書類の日付書き換えなどの不適切な事務処理が行われていたことが分かり、海老名市は2026年8月20日付けで担当職員ら6人の懲戒処分を発表しました。
今回の処分対象および内容は以下の通りです。
商工課副主幹(当時:経済環境部長・60歳)は、決裁権者としての確認義務を怠り不正な交付決定等を防止できなかったとして、停職1カ月の処分を受けました。
経済環境部長(当時:経済環境部次長・57歳)は、決裁権者としての確認義務を怠り不正な交付決定等を防止できなかったとして、停職1カ月の処分を受けました。
経済環境部参事兼農政課長(53歳)は、提出書類の日付書き換えを決定・指示したとして、停職2カ月の処分を受けました。
農政課主幹兼農業振興係長(47歳)は、課長とともに書類の日付書き換えを決定し担当職員へ指示したとして、減給10分の1(3カ月)の処分を受けました。
農政課副主幹(46歳)は、上司の決定・指示に基づき実際に書類の日付書き換えを行ったとして、減給10分の1(3カ月)の処分を受けました。
会計管理者(59歳)は、審査や出納事務の適切な処理を怠ったとして、戒告の処分を受けました。
また、偽造行為を黙認したとして農政課主事1人が同日付けで文書訓告となりました。
海老名市が2025年度に実施した農業用車両買い替え補助金交付事業の調査では、対象となった38件(合計3384万円)のすべてで領収書の日付改ざんなどが計89カ所判明しました。海老名市は補助対象外と認定した12件(合計約845万円)について農業者に返還を求める方針です。職員らは調査に対し、農業者を支援するために対象外の事例も含めようとした旨を回答しており、贈収賄は確認されていません。
海老名市の内野優市長は、自身の給料を減給10分の5(3カ月)とする方針を示し、副市長2人の減給と併せて市議会へ提案する考えを明らかにしました。
内野優市長は「このたびは、全体の奉仕者である公務員としてあるまじき行為であり、市民の皆様や関係者の信頼を大きく損ねる事態を招いたことについて、心からお詫び申し上げます。市としては、市政運営に対する信頼に関わる重大な問題として重く受け止め、原因を明らかにし、責任を明確にするとともに、再発防止を確実に実行することで、市民の皆様からの信頼回復に取り組んでまいります。」とコメントを発表しています。

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